当院では重症のニキビに対して、イソトレチノインによる治療を行っています。
🔸イソトレチノインとは?
ビタミンA誘導体の1つで、皮脂腺を縮小させることで、ニキビの原因となる過剰な皮脂の分泌を減らす作用があります。
🔸主な効果
・強力な皮脂分泌抑制作用
・毛穴のつまり(角化異常)の改善
・ニキビ菌に対する間接的な抑制効果
・炎症の抑制
外用薬よりも皮脂を抑制する作用がかなり強いため、体質的に皮脂が多い肌で炎症が強い重症のニキビの治療に適しています。
ニキビ以外では、過剰な皮脂による肌トラブル、酒さ(ニキビ様のブツブツが見られるタイプ)、毛穴の開き、などにも対応できます。
🔸薬の飲み方について
1日1錠、脂溶性なので食後に内服するのが効果的です。
🔸イソトレチノインの投与量の目安について
* 開始用量: 通常、体重1kgあたり0.25〜0.5mg/日が目安とされます。例えば、体重50kgだと1日10mg〜25mgから開始するのが一般的です。
(効果や副作用により、増減させることがあります)
* 累積投与量: 再発を抑制するため、治療期間全体での累積投与量が重要です。一般的に、体重1kgあたり120〜150mgの累積投与量が目安とされています。例えば 体重50kgで1日20mg内服したとすると、1か月の累積投与量が600mg、10か月で累積投与量が6000mgになります。
これらをふまえると治療期間は少なくとも半年〜10ヵ月位の内服が必要です。それ以上長くなると副作用の影響が大きくなるため長期に飲み続けることはやめましょう。
🔸起こりうる副作用
•皮膚や唇の乾燥・ひび割れ
•目や鼻の乾燥感
•肝機能やコレステロール値の異常
•頭痛、筋肉痛
•気分変化、うつ症状
•夜間視力の低下(暗い場所で見えにくくなる)
🔸重要な注意点
* イソトレチノインは必ず医師の処方のもとで使用してください。自己判断での使用は非常に危険です。
* 女性の方は治療中・治療終了後、少なくとも1ヵ月は必ず避妊をしてください。治療中の妊娠は、胎児に重大な影響を及ぼします。
* 妊娠中または妊娠の可能性のある女性は、イソトレチノインを服用できません。
* 男性患者さん自身が服用しても、胎児に悪影響を及ぼすリスクは非常に低いため、特別な避妊措置は必要ありません。ただし、パートナーが妊娠中または妊娠を希望している場合は、担当医師にご相談ください。
* 服用中は定期的に血液検査が必要です
* 治療中・後、少なくとも1ヵ月は献血は控えてください。
イソトレチノインは自費診療となります。
初診料 ・・・・・ 3,300円
再診料 ・・・・・1,100円
血液検査 ・・・・1回 2,200円
薬代 ・・・・・・30日分 19,800円
